スピングラス模型の分布関数の一般化

スピングラス模型における分布関数を少しだけ一般化をする.

通常の分布関数

通常の分布関数はそれぞれ以下の通り.

 \pm J模型:

 P(J_{ij})=p\delta(J_{ij}-J)+(1-p)\delta(J_{ij}+J)  

ガウス模型:

 P(J_{ij})=\frac{1}{\sqrt{2\pi J^{2}}}\exp\left(-\frac{(J_{ij}-J_{0})^{2}}{2J^{2}}\right)  

これは,中心が J_{0},分散が J^{2}の模型となる.

デルタ関数

デルタ関数の以下の性質を思い出す.

 \delta(k-k_{0})=\lim_{\alpha\rightarrow 0}\frac{1}{\sqrt{2\pi\alpha}}\exp\left(-\frac{(k-k_{0})^{2}}{2\alpha}\right) 

分布関数の一般化

2値ガウス模型の分布関数を以下の通りとする.

 P(J_{ij})=p\frac{1}{\sqrt{2\pi {J^{\prime}}^{2}}}\exp\left(-\frac{(J_{ij}-J)^{2}}{2{J^{\prime}}^{2}}\right)+(1-p)\frac{1}{\sqrt{2\pi {J^{\prime}}^{2}}}\exp\left(-\frac{(J_{ij}+J)^{2}}{2{J^{\prime}}^{2}}\right)

デルタ関数の上記の極限より J^{\prime}\rightarrow 0 \pm J模型となる.また, p=1のとき中心が J,分散が {J^{\prime}}^{2}の模型となり, p=0のとき中心が -J,分散が{J^{\prime}}^{2}の模型となり, \pm J模型とガウス模型の双方を含んだ分布関数となっている.この分布関数において, p=\frac{1}{2}の場合などは,果たして何を意味しているのであろうか.